こどもの日、noomが以前から気になっていた場所へ、家族でたんけんにでかけた。
森の中にある、小さな小さなその池には伝説がある。
ある冬の日、氷にとざされた池に舞い降りた一羽の美しい鳥を、村人達が捕え、食べようとした。
ところが、その時居合わせた人々はその場で急に眠り、不思議にも「新しく井戸を掘っても水は出ない。
なお、新しく井戸を掘るとその家は火事になる」という同じ夢を見た。
驚いた村人達は池の中に祠を建てて鳥の霊を慰めたのでその後のさし障りはなかった。
という話なのだが、どうも後世に修正されている気がする。
noomはこの周辺の土地の、昔からの水不足と水利権を暗示するような話なのではないかとまずは思ったが、
しかし現地は、小さいながらも沢のすぐそばであり、水不足?には大きく疑問符がつく。
話の中で死んだ鳥が実は妊娠していたともあるが、鳥が妊娠しているというのもおかしな話だ。
というわけで真相は川の本流から「取り残」された池なのではないだろうか。
謎は残るが、雰囲気のあるスポットには違いない。
その先の谷にすすむと、すぐに小さな沢が流れていて道は途切れる。
でも、わがたんけん隊は道無き道を進んでいく。
とはいえ沢に沿って昔は水田が続いていた気配があちらこちらに残っているし、
そしてまだまわりの草もさほど伸びてはいないので、幼児連れでもどこでも歩きやすいのだった。
あちこちにたくさんのシカの足跡があるのでそれをたどってゆく。
道中はずいぶん年季の入った藤のツルがそこかしこに伸びていて、小川をまたいでいたりしているので、
カレーはUFO付きでプチターザン気分を味わっていた(キケン)。
川をまたいだ倒木の上や風情ある枝振りのクワの木の上にのぼってtooもご機嫌だ。
リホチは土色のアマガエルのうしろをぴょこたんぴょこたんと追いかけたり、
イノシシのうんちをむんずとつかんだり。
沢のわき、杉の植林地との境あたりでわいわいとお弁当をひろげてしばし休んだ後、
たんけん隊はさらに道無き道をすすんでいった。
谷底の平地部分はだんだん細くなり、ついに小さな堰で行き止まり状になってしまった。
あとは斜面に続くシカの作った道を頼りにするだけ。
急斜面をトラバースするように続くシカ道の脇には、
葉を広げはじめたクロモジが昼過ぎの暖かい光を浴びて、
まるでみどりのチョウチョが音もなく一斉に舞いあがったかのように輝いている。
あたりには人の気配は無く、ただ自然の音と子供たちのはしゃぎ声のみ。
GWなのにね。静かでいいね。
尾根に向かうと、途中から道はようやく人の通る気配が見えてきた。
キツツキの飛び去った尾根を越えると、道もさらになだらかにはっきりとし、
tooだけでなくリホチもたったかと先に駆け出してゆく。
野山を駈けるこどもたちの姿を見るのはいつもうれしい。
すぐにため池に着いた。
騒がしい珍客到来に驚き、ゆうゆうと数羽の大きなアオサギが、そしてせわしなくカモたちが飛び去っていった。
池のほとりでみんなでこいのぼりの歌を歌って、柏餅をほおばる。
池の水面に立ち並ぶ葦の枯れ葉は風にそよぎ、自然の鯉のぼりだね。
帰り道、いつもなら後半「だっこだっこ」とうるさいリホチが、妙にはしゃいでどんどん駆け出してゆく。
さらに旅のシメには思いがけないサプライズ、一面のタンポポ畑が広がっていた。
とりのこ谷は、いい感じに喧噪や開発からとりのこされていて、どきどきわいわいのプチたんけんが楽しめた。
暑くもなく寒くもなく、途中ダダコネややんちゃもなく、帰ってからみんなでおひるね。
我が家らしいじんわりとした休日だったね。
また行きたいね。
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