2011年9月8日木曜日

自然のかたち、紋付あそび 2011.8.24

以前から個人的に興味ある,日本の家紋のデザインワールド。
誰でも知ってるこんなものから、驚きのあんなものまで、様々なものがデザインに取り込まれているが、なかでも大きなジャンルが花鳥風月のモチーフ。
八月半ばに大学生たちと自然の紋作り体験をやってみた。
新しいネイチャーゲームの一つとしても取り入れられているようだけど概要でいえば、
1、まず自然の中から興味あるものを一つ選び出し
2、次によく観察して
3、それを紋に表現する
4、みんなで作品を鑑賞する、そんなあそび。



出来上がったたくさんの紋を見ていると、同じ対象を扱っていても、個々の注目する点と美意識によって無限のバリエーションが生まれることに特に気づかされる。
紋として象徴化普遍化されてるはずなのになぜか個別化して見えるところがおもしろい。
出来上がった紋が表すのは「グループとしての自然」ではなくて、「作者」と「対象とした自然」二つの個だ。

ステキな紋作りのコツは
・じっくり対象を観ること
・観察結果から対象の特徴をシンプル、大胆に表現すること。
・描く時には太いマジックだけ用意しておくのもクッキリハッキリさせやすい。
小学生くらいの子供対象でもおもしろそうだが、大人を対象とするなら、慣れて来たら複数の素材を組み合わせた紋や、少しヒネリを効かせた「判じ紋」にしてみてもおもしろいし。
個人的には紋名を、例えば「丸ニ松笠親子蝶紋」などとそれらしく名付けるのも楽しい。
発展として紋切りあそびにつなげたりすれば、半日~一日、たっぷりとあそべる野遊びプログラムにできそうだ。

植物紋などの自然をデザインした紋が発達した背景には、やはり四季の変化のはっきりした日本ならではの特質と、
それを注意深く観察&活用しながら暮らしてきた歴史があるからでないかと実感できる。
そしてゲームをすすめる中でふと気づいたもう一つの別の事実は、
日本人の「名前」の中にも実に多くの「自然」が取り込まれているということ。
よく考えれば名字と家紋はイコールなので当たり前と言えばその通りなのだが、名字だけでなくイマドキの名前にも頻出している。

漢字やことばそのものも、まさにイメージそのもの。自然とイメージの関わりの世界は奥深く、それを読み解いたり組み立ててゆく作業は、とてもわくわくする。

0 件のコメント:

コメントを投稿