2011年9月13日火曜日

クズミズイロ

9/12 盛夏の頃書こうと思って忘れていたクズについて。
本日満月、秋の七草でもあるのでいいか。

夏、すべてを覆うかのような勢いで伸びてゆくクズ。
道端からぐんぐんはみ出してきていたツルの先端は、ごわごわした荒い毛が生えた生きもののようだ。
ある日なにげなくそのツルの先端をぽきりと折ってみた。
するとその切り口から、思いがけないほどたくさんの水。
先端はみるみる半円状に水がたまって来た。









 ちょっと驚いたのはその透明な水の中に白い成分がたくさん混じっていたこと。
極小スノードームのようでもある。きれい。





 暑い盛りだったこともあり、間もなく余分な水分は蒸発してしまうと、切り口には薄い空色の結晶のようなじゃりじゃりしたものが残った。
なんなんだろう?なにか成長に必要な糖分のようなものかと思いなめてみたが、意に反して非常に渋かった。
渋いことからすると、葛根湯の原料成分のようにも思える。
もしかすると「でんぷん」?それなら渋を抜けばクズ粉になるのだがこんなに簡単に採取できるなら苦労して根から取り出すことも無い気がする。
いずれにせよ,意外な薄水色が隠れていたことに驚いた。
この色は強いていえばクズの葉裏の色に近いかな。

さらにささやかな発見があった。
野遊び用にクズの葉柄をポキリと折り取っても、ツルの先端以外をちぎっても同じく吹き出さない。
水は吹き出さないし、クズの爆発的成長力は実は全身均一ではなくて、先端に集中させているらしいことが何気ないイタズラから伺い知れた。

おまけ:「葛」の語源は「屑」と同じなのかと思い調べてみた。葛の語源は葛粉の産地がかつて奈良の国栖(くず)だったからとウィキペディアにあるが、葛が採れるからそう呼ばれたのかもしれない。
一方、屑は「必要の無い役に立たないあまりもの」の意とある。
確かにクズのこの繁茂ぶりをみるとそんな一面もあるかもしれないが、役に立てなくなったのは多分近現代のことのはずで、根から葛粉・葛根湯、葉は飼料(ウマノオコワ・ウマノボタモチとの異名があるらしい)、蔓は撚って作業用ロープ、編んで篭に、繊維を取り出して葛布に使われていたりと、農村では様々に活用されていた。
何気ない自然も謎は深まるばかり。
ウィキペディア「くず」

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