2011年8月13日土曜日

不如帰と閑古鳥 2010.7.3

 今住んでいるのは高原地帯なので、毎年6月にもなると、森からカッコウやホトトギスの鳴き声が聞こえてくる。
昨日の夕方仕事帰り。駐車場に向かい歩いている間、ホトトギスの声が響いていた。いつもは定番聞きなし「特許許可局」としか聞こえてこないんだ けど、そのときはそうじゃなくてもいいよなと思ったらなんだか別の声に聞こえてきた。「チョットマッテテヨ」「ホットイテクレヨ」、そう聞こえだすと、な んだか不如帰劇場がはじまりそうでちょっぴり楽しくなって来た。
知らなかったがホトトギスとパソコンに入力すると実にいろいろ変換候補が出てくる。
不如帰〜帰ることができない。中国の伝説から来た名称らしい
杜鵑〜これも中国由来。森の鳴く鳥そのままだなあ
子規〜血を吐くように鳴くとされるホトトギスから、吐血する自分と重ねた名前が正岡子規だったのね
時鳥〜初夏、季節の変化を告げる鳥
このほかにもいろいろあるらしい。

一方、先日、ふと閑古鳥ってどんな鳥だろうと改めて思った。なんとなく、カーカーと数羽のカラスがため息をつきながら鳴きながら横切っていくビ ジュアルイメージがnoomにはあった。子供の頃見たタイムボカンシリーズ?や漫画などの影響かもしれない。でもよく考えればそんなことも無いだろうと思 い直して調べてみたら、予想通り閑古鳥とはカッコウのことだった。確かに「静かな湖畔の森の影から」鳴いているわけで、カッコウの声が聞こえる状況には 「賑やかな場所」という印象は無い。けれど「閑散」や「うら寂しい」というよりは、どちらかといえば「静謐」「センチメンタル」とかそういうプラスイメー ジがあったので、ちょっとそのギャップに戸惑っている。閑古鳥鳴く球場(スタンド)には風がチリを巻き上げてピュウと吹いているが、カッコウ鳴く球場は、 緑豊かで涼しく爽やかな感じがする。
話の脱線がすすんで一旦仕切り直す、そのときの一瞬の静寂の間にも、心の中ではきっとカッコーの声が響きわたる。閑話休題。
ホトトギスの鳴き声は昔から妙に人の心を惹きつけるものがあるらしく、万葉集では鳥の中で最多登場数を誇ると言う。枕草子ではホトトギスの初音 を待つ為に徹夜する様子が描かれ、「目に青葉山ほととぎす初鰹」などなど多くの歌人にも歌われてきた。名前も歌もそれだけ人との関わりのあった歴史を物 語っている。

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