2011年8月13日土曜日

くろもじの雲 2010.4.30

 ここ小淵沢に来て、もっとも親しみを持つことになったのはクロモジの木かもしれない。折ってにおいを嗅いだり、お茶にしたり。爽やかな香りは飽きがこない。でも、どこにでもあるかと思いきや、以外に探そうとするとなかなか見つからなかったりする。そこが不思議なところ。
今、森の中ではクロモジの花が満開になっている。とはいえクロモジの花は地味だ。むしろ、その上についた開き始めの若葉の方が目立つと言える。 全体で「みどりのはな」といった風情。まだ明るい春の林の中で、柔らかい日差しに輝きながら、漂うように無数の「はな」が浮かぶ。遠目から見れば黄緑の雲 のようでもある。その色の中にあの香りがとじ込められているのを思えば、ほのかに漂う香りを直接眼で眺めているような不思議な気分にもなってくる。

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