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2013年5月19日日曜日

櫛形の森を歩く

 櫛形山にゆく。
今回は一番らくらくアプローチの茶屋池コース往復。
登山口には駐車場数10台分&トイレ&大きな無人山小屋















この日は下界は暑かったもののさすがにここらはひんやり。
入口からヤマザクラが歓迎してくれ、
林の下ではコバイケイソウのみずみずしい葉がほんと、おいしそう。春の色。
今回はミヤマカタバミがめだった。
プレイバック花見

でも、毒です。
しおらしい、という印象

出発してすぐ、尾根筋に出れば防火帯の急坂をひと登り、
ふりかえると南アルプス。


















急坂は風格あるダケカバまで続き、
ここからは平坦な尾根道。道すがらのダケカバが一つ一つ素晴らしい。
段々コメツガの巨木が目立ってくる。














出発から1時間くらいで櫛形山頂。ここからはツガとテンカラ。














針葉樹の原生林は静かで、足元に苔、時折鳥の声。
サルオガセカーテン















道々の大きな木たちとの出逢いが楽しい。
テンカラ=天然カラマツ





新緑や紅葉も見たいな〜






























分岐にあるテンカラ。これはすごい根回り。


裸山山頂では展望が開ける。
先ほど歩いた辺りは意外にダケカバが目立つ。
HDRで強調

そして少し下の方の針葉樹の森が東山魁夷の絵っぽくてため息が出るほどの美しさ。





























バラボタン平付近では帰りは尾根筋の別の道をたどったがこちらも素晴らしい森が広がっていた。
原生林の反対側のはるか下には街が広がっている
















登山道入口にたどり着き、そして帰り道、駐車場の時点で車の給油ランプが点灯し、
ヒヤヒヤしながら下界に下りた。

櫛形山はこれまで花の山、という認識しか無かったけれど、実は気軽に行ける深い森の山
コースが多数あるのでまた別の道で行ってみよう。








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2012年7月18日水曜日

富士山麓の妖しい森でヤマンバに遭遇




昨日、富士山麓の森の中で奇妙なものを見つけた。
梅雨明したばかりの夏の森
しゃがんで小さな花や苔たちの写真を撮ったりしていると、
地面に「動物の毛?」があちらこちらに落ちている。
こういう場合にはよく近くに動物の遺体があるので、興味を持ってよく見てみる。
黒くて少しつやがあり,長くて 剛毛っぽい。
なんだ?そう、 まるで髪の毛みたい。ここは富士山麓。いやいや。まさかそんなことは…

と一瞬ぎくりとしながら
人間の捨てたテグス状のゴミではないか?とも思いつつ
ひとまず引っ張ってみると、プチッと抵抗がある。
そして落ちているのではなく土の中から出ているようにみえる。
基本は髪の毛状だけど、ときどき分岐して三叉している所がある ので
ゴミではないな。
 不思議に思いつつも し、地中の枯れ枝に付着しているし、キノコか地衣のなかまだろう?
その場ではそれぐらいしか分からなかった。




家で調べると、見つけたのは「山姥の髪の毛」だったということが分かった。

*ヤマンバノカミノケとは、特定のきのこ(子実体)を指す名前ではなく、樹木(小枝)や落葉上に「根状菌糸束」と呼ばれる独特の黒い光沢 を持った太くて硬いひも状の菌糸の束に対して、伝説の奥山に棲む老婆の妖怪である「山姥(ヤマンバ)」の髪の毛になぞらえて命名されたもの。
どうりでこれだけ特徴的なのに、キノコの図鑑を調べても載ってない訳だ。

*この黒色の根状菌糸束を形成するきのこには、ホウライタケ属やナラタケ属、さらには子のう菌であるマメザヤタケ属のきのこが含まれ、林内一面に網目状に 伸びることもあれば、数メートルの長さに達するものまであるらしい。
そういえば、近くにこれも奇妙なかたちのマメザヤタケがあるのを見かけた。
マメザヤタケ


*通常、きのこの菌糸は乾燥に弱いのですが、ヤマンバノカミノケと呼ばれる菌糸束は細胞壁 の厚い丈夫な菌糸が束の外側を保護していることから、乾燥や他の微生物からの攻撃に対して強靭な構造となっています。アフリカのギニヤやマレー半島の原住民などは織物にしてとても美しい腰帯として利用しており、日本では半永久的に光沢があることか ら、神社やお寺などの「宝物」として奉納しているところもあるようです。
およそキノコらしからぬ姿。でもこの変幻自在っぷりがキノコワールドのおもしろいところ。

*想山著聞奇集には「尾張国春日井郡氷野村の庄屋方の焚き残りの薪の中で、ニワトコに似た細い木に長い女の髪の毛のようなものが幾筋も生えているのをふと 見つけた。余りに珍しい物なので代官陣屋に訴え出たところ、名古屋に運ばれたが、如何なる物か評議がつかなかった。本草学に詳しい者もいたけれど、『珍し いものですなあ』と言うだけで、さっぱり知らなかった。(中略)これは文政八年のことである。」とあり、同様の記録が各地に残っている。

また日本各地の神社や寺の宝物の中に「七難の揃毛(そそけ)」と呼ぶ長い髪の毛のような物があるが、これもきのこの根状菌糸束かもしれない。箱根権現、 下総石下村東光寺、江州竹生島、信州戸隠山の物が有名である。閑窓瑣談によると、「上野国甘楽郡新羽村に神流川という川があった。慶長の頃、洪水の時にそ この板の橋にとても怪しげな毛が流れて引っかかっていた。地元の人が見つけて拾い上げてみたところ、毛の長さが三十三尋(約六十m)以上あった。色は黒く て艶があって美しかった。しかし何の毛であるか判らなかった。村人達はあまりにも驚いて色々と相談したが、その侭放っておくのもどうかと思い、その頃有名 な易者に占わせたり、湯立ち(占いの方法)したりした。すると『この毛は、野栗権現が流したもう陰毛である。』と巫女が言ったので、毛をその神社に奉納し た。当時は陰毛の宝物として有名だった。また毎年六月十五日の祭礼の時は御輿が出るのだが、後にはその陰毛を箱に入れてこれを恭しく持ち歩くそうであ る。」だそうだ。
↑このあたり、非常におもしろい。確かに陰毛の印象に近い。
今回は予備知識無しで実物発見から謎は始まったので、
不思議な未知の自然との出逢いの記録が、伝聞によって神や妖怪、伝説の誕生になる瞬間を追体験できた気がした。

  このヤマンバノカミノケの子実体を発見し、根状菌糸束であることを日本で始めて明らかにしたのは、世界的な博物学者として知られている南方熊楠。
そうだったんだ!この森では他にも粘菌や冬虫夏草のサナギタケをはじめ、菌類に目を奪われっぱなしだったのだけど、期せずして憧れのミナカタ先生の追体験ができたことも今回の大収穫だった。
マスタケ



お玉みたい


サナギタケ
さなぎたけの下にさなぎ
しがみつく巨大爬虫類のようだ






カイガラタケ

サンドアートみたい

タマサンゴホコリ?
ススホコリ?
この直後、カメラを落として粘菌がべっちょり



 


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2012年5月10日木曜日

なんでらいおん?Dandelion

ゆうやけに~ちいさくなる~くせのあるあるきかた~
タンポポを見るとユーミンの歌、ダンデライオンが思い浮かびます。
dandelion はフランス語の dent-de-lion ライオンの歯
タンポポの葉のギザギザ(鋸歯)がライオンのするどい歯を思わせるから、というのが一般的な語源解説なんだけど…
フランスとライオンがなんとなくマッチしないような。
もう少しタンポポとライオンとの関連を私的深読みしてみた。
ガジガジと食べたい?食べられたい?
たてがみ説 成体のオスライオンのもつたてがみは、ネコ科のなかでも独特で、最も明示的な種の特徴の一つ。たてがみはライオンをより大きくみせ、威嚇的に振舞うための役割を果たす。たんぽぽも黄色の花や綿毛が飛んだ後の枯れた花穂、冬のロゼット葉を上から覗き込むとなんとなくたてがみの印象がある。
こっちむいてガオ〜


ロゼット説
「ロゼット」は「バラ状の」という意味で、植物学において「ロゼット」と呼ぶのは、葉が茎を中心に放射状に密生してる場合を言う。
注)ロゼット葉ですがこれはタンポポではありません
また「ロゼット文様」は花を上から見たところ。和で言えば菊の御紋なんかもロゼット。太陽などの模様もこの「ロゼット模様」のひとつと言える。まさにタンポポは2重にロゼット。
なんだか踏みつけるのは畏れ多い気がしてくる

そして、ヒョウや、ジャガーなどのいわゆる豹柄模様も「ロゼット」と呼ばれている。どこがライオンとつながるかというと、なんと子ライオンの身体にも、ヒョウよりもはっきりした、ロゼットと呼ばれる褐色の染みがある(成長するにつれ褪せていくが、たいてい脚部や腹部にはかすかに残っている)そうな。ロゼットつながりで言葉も繋がった?
顔を描けばまさにライオン

しっぽ説
ライオンのオスとメスに共通する非常に特徴的な要素は、尾の先にふさふさとした毛がはえていること。ライオンはネコ科で唯一のふさのある尻尾をもった動物なのだが、その役割はわかっていないらしい。このふさのあるしっぽと、花が終って茎をグインと伸ばすタンポポ(綿毛開く前)の姿を重ねあわせたのでは。

王者の風格のしっぽ
高人気説
ライオン はおよそ1万年前の更新世まで、人間に次いで地上で最も広く栄えた哺乳類で、その範囲はアフリカ、西ヨーロッパからインドにかけてのユーラシア、そしてユーコンからペルーまでのアメリカにまで至る。
そんな背景とオスの非常に特徴的な外見、強力さがあいまって動物シンボルとしてもライオンはあらゆる文化のなかでもっとも広まったものの一つでもある。ライオンはラスコー洞窟など後期旧石器時代から描かれているし、スフィンクス、狛犬、シーサー、獅子舞、すべてライオンだ。そんな認知度の高いライオンと、どこにでも見かけてたくましい生命力を誇るタンポポのイメージが結びついた?(かなり苦しい)
ライオンの群れる草原

美食説
フランスには食通の街、リヨンがある。ヨーロッパでは昔からタンポポは食べられていたわけだが、
そのサラダかなにかの名前を洒落てつけたのでは。
Lyon風 春の彩りライオンの歯サラダ みたいな。ちなみにLyon市のシンボルアニマルはLion(プジョーのマークに似ている)だが、これは単に綴りが似てるからだそうだ。

…完全に憶測。
Lionのカーニバル

当たっているのかどうかはともかく
色々あれこれ考えてみるのは
こんな小さなライオンならたとえ噛み付かれても痛くなさそう~とか
群れて尻尾をもちあげているライオンみたい~とか
新たな視点が増えて楽しいね。























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2012年5月4日金曜日

やまさくらもち


今、森はヤマザクラの花が真っ盛り。
ソメイヨシノの「これでもか、ば〜ん」という感じでない
花と葉が同時に開く「ほわ〜ん」とした満開は、
結構好みかも。
さてこのヤマサクラをここ連日見ていて、ふと気づいた。
淡い桃色のはなびらと
展開しはじめのほんのりと赤みを帯びた葉の緑、
この色の組み合わせは、見たことがある!
おいしそう!
そうだ、これはまさに さくら餅の配色だ。

和菓子の意匠が、四季の自然をよく観察して取り込んでいるなら
さくら餅はソメイヨシノではなく
ヤマザクラからインスピレーションを得たのではないか?

ちょっとwikiってみる。

さくら餅には主に長命寺と道明寺があって
関東風の「長命寺」は練った小麦粉をクレープ風に薄く焼き、桜の葉で包んだもの。
関西風の「道明寺」は餅米を乾燥させて砕いた道明寺粉を蒸し桜の葉で包んだもの。
ふむ。
そして南方熊楠によれば、「桜餅」の知られている出現は天和三年(1683年)のこと。
下って江戸時代、8代将軍徳川吉宗が数千本もの桜を隅田川堤に植え、
それがキッカケで今のような庶民的な「お花見」が誕生し、
それをに伴い「桜餅」が大繁盛したそうな。
ふむふむ。
一方
現在日本中を埋め尽くす、桜と言えばのソメイヨシノ。
実は江戸末期から明治初期に、奈良吉野ではなく江戸の染井村ではじめて育成されたもの。
ということは、
さくら餅誕生には、ソメイヨシノはやはり関係がなさそうだ。
(昔の花見はエドヒガンなのかもしれないけどね)


…昔の人はどんなお花見を楽しんでいたのだろう。
どんちゃん騒ぎではない
もともとのお花見という行楽は
こんなあたたかい春の森の中、
芽吹いたばかりの一面の
やわらかなみどりに包まれて
ほっこりと楽しんだものだったに違いない。
(昔の花見はエドヒガンなのかもしれないけどね)

折しも明日は端午の節句。
ちまきやかしわもちを食べるのが習わしだけど
春の遅かった今年はヤマザクラの下でさくら餅を食べたいな。
というのがnoomの本日の結論。
外で食べること自体、
いつでもなんでもおいしいけどね。




追記:その夜、偶然、Curryが柏餅のついでに桜餅を買って来た。なんかうれし。








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2012年4月24日火曜日

霧の入笠湿原にて



先日、入笠山に行き、湿原保全のボランティア活動に参加した。
作業内容はシーズン前の木道とその周辺整備ということで、
湿原に落ちた枯れ枝を湿原の縁に除去するのがメイン。
枯れ枝等が湿原に積もるのは
乾燥化したり、栄養豊富になったり、遷移をすすめてしまう要因になるので
湿原維持にとってはよくない 事になる。
あとは景観的にも。

濃い霧の中、木道を外れて湿原に足を踏み入れた。
場所によっては一歩進む度、じゅわつと水がしみ出す。


足下には妖しく顔を出した ザゼンソウがあったりして緊張する。
踏みつけた足跡の下には高原の植物たちが春の準備をしてるんだよな〜

あたりは霧が立ちこめ 、近くで作業している人もおぼろげ。
なんだか妙にどきどき。
禁断の地に足を踏み入れた背徳の心持ち…
 
昼前に作業は終了したが、
ふと気がつくと、
木の枝先についた雫がいつのまにか凍り始めている。

あとで見たら、風の通り道のモミの枝先はエビノシッポみたいに
氷の薄刃がいつのまにか成長していた。

モミもトキトキ 氷もトキトキ。
さわるとささやかなカシャッと音をたてて、
破片がぱらぱらと落ちていった。

帰り道、まだ残雪が残る車道沿いに、幻想的な光景を見つけた。

サルノオガセが凍てつきながら垂れ下がっていて、
ここはシベリア、アラスカか?
いつもはなんてことないカラマツ林も、
森のベールと霧のベールをまとい
えも言われぬ景色に 変貌していた。

10m先が見えない霧の中、
入笠山は春と冬と幻が入り交じっていた。









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