2011年8月13日土曜日

白髪まつり2010.6.23

 まつりはいつもいきなり始まる。夕方、家が白髪太郎で埋め尽くされていた。玄関、外壁、屋根、樋どこもかしこも、もそもそもそもそ虫たちが動き回ってい る。なまじ大型のいも虫だけに迫力満点。家の裏のクリの木を見れば、日曜までは確かに葉っぱがあったのに、すっかり花穂とそれに姿形が似た太郎たちだけに なっている。急速な食欲増大で食料が尽きて、移動しているようだ。まだまだ幹を伝ってどんどん降りてきている。昔見た人食いミミズが大発生するB級ホラー 映画「スワーム」の恐怖を思い出した。ひえー。
出産前、「蟲愛づるヒメギミ」の名をほしいままにしたカレーは今回引いている。ヘッドライトをつけたtooは、かれーのまねをしてか、「やべ えよ。おまえらやべえ」とつぶやきながら光をあてて大暴走を見ている。リホチも比較的平気なようだ。noomの事前教育の成果か?noomはまつりがひろ がって近所迷惑になると、殺虫剤をかける等対策されてしまうのでは、と恐れていたが、なぜか、隣のうちまではあまり出張していなかった。よかった。
「王蟲の暴走」を止めるすべは無いのだろうか。まあ、それはないのだけどささやかな抵抗?をして、今朝箱にどんどん拾い集めた。カレーから 「かっこいい」「見直した」と不謹慎な声援を浴びながら集める集めるぽいぽいぽいっ、その長いふさふさ毛は掴むのに便利だ〜ぽいぽいぽいっ。時々しっかり 引っ付いている太郎は黒いタール状の液を出す。もう蛹化の準備がはじまっているようだ。瞬く間に箱一杯に太郎を集めることができた。ずっしり重い。どうし ようこれ。でも、まだまだまつりは続いている。
生物は微妙なタイミングによって時々こんな「まつり」を起こす。どちらかというと調和の完全さが崩れた環境の時「まつり」は起こりやすいよう に思う。(今回の場合は独立樹のクリが太郎の消費量に耐えられなかったのがきっかけ。今年の気象条件もあるかもしれないし捕食者が少なくなってるのかもし れない。)人はいつもと違う自然のその様子に、畏怖を感じる。それはいきものの持つ根源的なパワー、「世界に満ちたい」欲求を目の当たりにするからでもあ るし、いつもは作物等で思いっきり人工的な「まつり」を起こし続けている人間が制御できないことだからなのかもしれない。

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