2011年8月13日土曜日

妖怪ミズキ?血を流す 2010.4.25

ミズキの木は水を吸い上げる力が強く、春先に切り口から水が出る。
でもそこに、鮮やかなオレンジ色のへんてこなものが着くのを知ったのは20代の頃。最初は病気では?と疑った。個人的呼称は『へげへげ』。かなり 目立つものなので昔からこの現象は「ミズキが血を流している」とも例えられてきたらしい。なるほど、「大木を切ると切り口から血が流れた」というような伝 説の類型は、このような現象の観察と想像をきっかけにできたものなのかもしれないなあ。

で、地方によって「あかっこ」「かす」などと呼ばれて、昔、味噌汁に入れて食べたそうな。昔の人、勇気あるなあ。
さらに調べればこのオレンジの正体はファフィア酵母。樹液で酵母菌が繁殖したものらしい。カルテノイドという色素を含み、これは鶏卵の黄色や金魚 を色鮮やかにするために使われたり、強い抗酸化作用を健康食品や化粧品にも利用しているらしい。昔の人、実は理にかなってるねえ。

水木といえば水木しげる、ということで彼の書いた「妖怪の味わいかた」という文章があった。
『金がなくても楽しめるのが妖怪。
どうしても妖怪好きは、貧乏人に多い。
金もうけで忙しい人には見えないものらしいですナ。』
なるほど、妖怪とはまさに自然の驚きの事なり、と納得。

昨日、水がぽたぽたしたたるオレンジ部分に触れてちょっとなめてみた。「甘いのかも」とちょっと期待したが,ほとんど無味無臭で残念。本日はその水がなんと10センチくらいの立派なつららになっていた。まわりの地面は5センチくらいの霜柱。春なのに,ああ春なのに。
こんなできごとも妖怪の仕業かしら。

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