2011年10月10日月曜日

ユキがいない朝

ユキがいない朝

10/8 冷え込んだ早朝、家で飼っている猫が一匹帰って来ていないのに気づいた。
家の前の道路の片隅に横たわっているのを見つけた。
ほとんど傷らしい傷も無く、出血も無く。
青い目も開いたままで、いつもと違うのはただ動かないこと。
亡きがらを布にくるんで家に運んだが、
まだなんとなく体の芯のぬくもりが残っているように感じられたのが
なおさら切なかった。


名前はユキ。
今年の早春、偶然近所から譲り受けた2匹のうちの一匹。
ユキはミゾレと違って、おなかが空いてもあんまりすり寄ってこない。
ユキは「私は私なのよ」と澄まし顔のネコらしい猫。


家に戻ると相棒のミゾレが近寄って来た。
ユキのいつもとは違う様子に、
布を引っ張ったり、ちょっとかんでみたり、
鼻をクンクン、不安げな声をかけてみたり。
でももう、一緒に遊んでくれない。ケンカもできない。
そのあと、そばにあった布切れの中に顔まですっぽりくるまって
じっとうずくまってしまったのが
なおさら寂しそうだった。

カレーと2人で庭に埋めた。
埋める時のなんだか乾いた感じと、
いつもと世界は変わらないのにもうここにはユキはいない、
というぽっかりした非現実感はこれで2回目。

そのあとtooが起きて来たので、昨日摘んだ沈丁花の花を供えた。
雲の無いよく晴れた朝だった。
夕方、聞けばリホチは何回となくユキの話を口にしていたらしい。
彼女も小さいなりに、初めての身近な死と向き合っているようだ。



「毎日、今日が人生最後の日かもしれない、と考えるとすれば、いつか、必ずその考えが正しい日が来る」
数日前に亡くなったAppleのスティーブ・ジョブズの言葉。
昨日がユキと一緒でいられた最後の日。
在りし日の写真で追悼。


ユキ、ありがとう。

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