韮崎から県境辺りまで伸びる20km以上にわたる断崖のこと。
春先は、自宅近くながら訪ねてなかったこの七里岩各所によく出かけていた。
最近は道路が接続されたものの、ずっと続く崖は昔から交通の障壁となり、
甲州街道は釜無川に沿って崖下に続き、崖の上には「はら道」が伸びている。
在住の人からは崖下の白州側を「段下」崖の上の小淵沢側を「段上」と呼んでいて
文化的、経済的にも 上下はあまりつながりが無かったらしい。
ここに住むようになって気になっていたのが在住の方から聞いた子供の頃の思い出話のこと。
「ループ橋ができるまでは、うちの集落から毎日1時間かけて小淵沢の駅まで出たものだ」
ループ橋を下に見る。なかなかの高度感。 |
ざっくりえぐれていてドキドキします |
…いったいどこを通っていたのだろう。これが一つの小さな謎だった。
数年前に何回か集落近くの目星をつけたポイントを探って見たときは
山中に導水路があったり、岸壁がトンネル状になってたりして面白かったものの
道は川に下るほどケモノ道化して
渡河ポイントは分からなかった。
で、今回、多分ここかな〜と思える道を発見。
つづら折りのしっかりした坂道が川に向かって伸びている。 しかも忘れられた道の傍らに
風情のある石仏たち。
大きいのは比較的新しい |
はにわを連想させるやさしいお顔 |
さらに進むとお地蔵様も |
しかし、この道もお地蔵様を経てしばらく行った先、川にかなり近づいた所で
道が崩落していてその先は分からなくなっていた。
対岸は護岸工事され、採石場になっていて多分昔の面影はない。
河川敷は大水があればその度に流路が変わるのでなおさら分からない。
結局最後の最後は不明だったものの、
残っている道の様子は,人が行き来した面影を伝えていた。
今では猿と鹿のみぞ知る忘れられた道筋なのだが。
風情のある道がなるなるのは寂しい。 |
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