2011年8月13日土曜日

ニセアカシアノート 2010.6.4

 近頃河原を中心にニセアカシアの白い花が盛んに咲いている。ニセとついているけれど、蜂蜜の蜜源も、歌等に取り上げられるのも実はニセアカシア。本当のアカシアよりもずっとメジャーな植物だ。
ニセアカシアの最初の思い出といえば、はじめて植物に興味を持った大学生の頃、本をもとに最初に食べてみた植物の一つがこの花だった。確か天ぷ らと三杯酢で食べてみたような。調理もまだ始めてと言っていい頃のことだったので、完成品の味はたいしたことなかったけれど、美味しさよりはその香りと、 「これなら食べ出があるなあ」と思った事だけは記憶している。
さらに自分の職場もニセアカシアだ。壁一面にこの丸太が並べてある洒落たデザインなのだが、時々年配の方から「この薪は販売していないんですか」と聞かれて苦笑することになる。この丸太をよく見れば年輪の幅が太く、成長が早い木だということが分かる。
もう一つ、昨年伊那に川についての研修にいった時、自然解説の一環でニセアカシアの聞いた。ニセアカシアは痩せ地でも成長が早いために、一昔前 は河川敷の緑化植物として好んで植えられたが、最近は伐採しているらしい。もともと根張りが浅い上に大きく育つので、洪水時には木そのものが流れてしまい それが還って危険となるためだ。それと比較すると日本の昔からの風景でもある柳の場合、根がしっかりと張るだけでなく枝も増水時の流れを緩めながら受け流 してくれるという、という話だった。中でも特に「様々な動物たちが食べにくるため、刺をはやしているし、葉っぱを引っ張るとすぐに枝ごと折れてしまう性質 がある。それは腰が強いとどんどんたぐり寄せられてしまうから。」という解説が印象に残り、葉も美味しいんだと思っていたが、今回調べたところ花は食用だ けど葉は有毒らしい。気をつけよう。
そして、この花の咲くところ、山が近ければ、猿がやってくる。この時期の猿にとっての旬の味なんだろうな、と同じ花を食べた身には実感でき る。ここ八ケ岳山麓では釜無川の七里岩より上にはなかなか猿を見ることがないのだけれど、ちょうどあの辺りでニセアカシアの林が途切れることになるのもそ の理由の一つかもしれない。家の近くのループ橋付近は猿たちにとってはニセアカシアが多く,日当りもよく、甘い初夏の味をのんびりたらふく食べられる最高 の場所なんだろうな、と最近車で通る度に思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿