2011年8月13日土曜日

新緑の森をおよぐ 2010.5.13

 昨日、精進が滝にむかった。
滝を目指してゆっくりと歩いていると、ひんやりとして澄んだ空気のせいか、しぶきのせいか、絶えず聞こえる水の音のせいか。なんだか水の中にいるかのような錯覚にとらわれた。
陽に当たって輝く生まれたての若葉はうすくやわらかで、色もそれぞれがやさしいみどりをしている。谷を抜けてゆく風に、若葉が一斉に横を向く。 次の瞬間、互いが思い思いの方向を向き、またそろってなびく。そんな様子は、水の中で時折きらりきらりとウロコを光らせて身を翻して泳ぐ小魚たちの群れを 思い出させた。
そしてもうひとつの水中感。谷にはつねに風が吹き、水中のように絶えず、何かが舞っている。よくみればそれらは小さなみどりたちだ。若草色の 若葉や萌黄の花穂もあれば、長い冬から葉を守ってきたカバーたちはこれまたなんて美しい茜色、これらが足もとの苔の上、切り株の上にも無数に舞い降りてい く。
滝からの帰り道、道端に落ちていたカケスの羽根。JeyBlueと友達は教えてくれたが、この青のグラデーションも透明感ある水の色と似ている。今日にふさわしい色だ。

こんな透き通った五月の休日はまたたく間に過ぎて、すぐに濃く騒がしい、緑の季節がやってくる。また来れるといいね。帰り道、お天気雨の牧場でお団子を食べながら思った。

0 件のコメント:

コメントを投稿